2012-08-04

読書「サーカス団長の娘」ヨースタイン・ゴルデル

猪苗代英徳 訳
ネタバレあり

-主人公のペッテルは幼い頃から様々な物語を思い描いてきた。物語は溢れ出るように次々に現れた。
-彼は梗概を書きためたが、作品として完成させることはなかった。彼の関心は自分のアイディアを収集することにあって、書くことは愚かな行為だと思っていた。
-金銭的に困っていたこともあって、彼はスランプに陥った作家にアイディアを売るビジネスを考え付く。様々な作家と接触し、彼は文学界の黒幕的存在となるのだが・・・
-表題の「サーカス団長の娘」は、ペッテルにとって重要な3人の女性に語られる物語である。サーカス団長とその娘パニナ・マニナの関係は変わらないが、物語は都度変わっていく。変えたことで彼自身の人生も変わってしまう。物語を作っていたつもりが、物語に人生を作られてしまうのだ。

-作家あるいは作家志望者を類型化した分析や 、主人公が書くという行為に関心がない点が興味深い。書くことが創造的行為と思っている人々の背中に冷水を浴びせるような作品である。

*脳の機能が著しく低下していてひどい文だが、読書メモとして残しておく。すぐ忘れるし、手帳もなくすから。私の文章能力は20歳ぐらいが頂点だった。最近はアイディアがあってもまともな日本語が書けず、自分の文章にイライラして何も進まない。

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